校長式辞、来賓の市長さん、育友会長さん、日赤の院長さんの3名の祝辞
そして卒業生代表の池田くん。涙で5年間を振り返った前川さん。
みんな3.11以降の物の見方、生き方についてふれ、感謝と絆を考えさせられるとても感動的な式となりました。

  式 辞

 本日ここに、卒業証書授与式を挙行するにあたり、多々見舞鶴市長様をはじめ多くのご来賓と保護者の皆様に御臨席賜りましたことに高段からではありますが、厚く御礼申し上げます。
 さて、高等学校の全課程を終えた卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんには、入学に当たって、高校生活への思いを書いてもらっていました。そして、「日星高校でよかった」と卒業の時にいえる三年間を送って欲しいと話しました。皆さんの高校生活は、どうだったでしょうか。
 中学時代に不登校だったけれど、高校では元気に三年間を通した人。
こつこつと勉強をがんばり大学合格を果たした人。
「働くことで人のために役立ちたい」と就職を決めた人。
 進学希望者は志望校に全員合格しましたし、就職希望者もこの経済不況の中ほぼ百%の内定を得ることができました。
 進学コースの人たちは、八時間目までの授業や土曜講座そして課外など本当によくがんばりました。今日も受験に挑戦している人もいます。そうした努力の結果が、みなさんの夢を確かなものに変えました。本当におめでとう。
 看護科の皆さんは、五年間という長い期間ではありましたが、知識や技術のみならず、看護の心を育ててきました。四月からは、もう一人前の看護師さん。みなさんがたどりついた「患者さんや家族の立場に立った看護」で、笑顔をひろげて欲しいと願っています。
 皆さんが、本校で培った最後まであきらめない粘り強さは、きっと人生の節々であなたたちの生きる糧となるでしょう。
 ある生徒は、卒業を前に「日星高校で、我慢すること、あきらめなければ絶対に何とかなるということを学んだ」と書いています。
 みなさん一人一人が、そんな思いをもって今日の日を迎えました。
 本当によくがんばりました。私は、そんな成長したみなさんを誇りに思います。

さて、丁度、一年前の三月十一日、大震災が起こったとき、当時二年生の皆さんと私たちは、韓国学習旅行でソウルにいました。テレビに映し出される信じられない光景に驚き、成田空港が閉鎖されており、日本に帰れないかもしれない。そんな不安の中で、危機を共有していきました。そして、いろんな人の働きのおかげで無事に帰ってこられたこと、待っててくれる家族があることのありがたみを改めて感じました。
 私たちが、被災を免れたのは、ほんの偶然です。だからこそ「私たちにできることは何か」をいっしょに考えてきました。
 関心を持ち続け、「共にありたい」との想いを行動に表してきた一年です。
 生徒会の呼びかけでいち早く始めた支援の募金活動。自分たちが一生懸命やることが、被災地に勇気を届けることになると、心ひとつに取り組んできた体育祭や文化祭、そして、クリスマスには、全校で一万羽の鶴を折り、思いを、願いを、東北に届けてきました。
 看護科では、福島と宮城の二つの高校で同じ看護師を目指す被災した学生を激励する活動に取り組み、私たちも元気と勇気をもらいました。
 初めの聖書の朗読にあった「小さき者とあれ」は、聖ヨゼフ学園の建学の精神であり、これからの人生の指標です。そうした日星高校で培った「人と共にあること」「人のために役立つこと」「心豊かに」を忘れないでいてください。
 福島の原発の事故は、便利さを求めて走ってきた私たちのくらしの有り様を根本的に見直すきっかけにもなりました。また、利害が対立するものをどう調整し、問題を解決していくのか。この命題は、私たちにも、皆さんにも投げかけられています。
 だからこそ、不断の勉強が必要なのではないでしょうか。
 皆さんが出て行く社会は、先行きの見えない困難な道です。
 私の好きな言葉に「暗いと不平をいうよりも進んで灯りをつけましょう」という言葉があります。困難に出会っても、人のせいにせず、どうか、灯りを高くかかげあきらめずに歩んでください。
 一人では不安です。困った時、苦しい時に頼れるのは、やっぱりここ、高校時代に培った仲間、母校・先生です。これからも互いに助け合い、また、感謝の心を忘れずに進んでくれることを願います。
 
 後になりましたが、保護者の皆様にお祝とお礼を申し上げます。
 本日はお子様のご卒業おめでとうございます。
 私たち教職員は、皆様のご期待に十分応えられたとは思っておりません。にもかかわらず、皆様の物心両面にわたる多大なご支援、ご協力を賜り、本当にありがとうございました。
 三年生全員が、卒業を前にしてお父さん・お母さんに手紙を書きました。
 少しだけ、のぞかせてもらったのですが、そこには、これまで育ててくださった事への感謝の気持ちがあふれています。
「いっぱいわがまま言って迷惑をかけました。私立でお金もたくさんかかったけれど、初任給でお返しするね。本当にありがとう。」
「休むことが多くて心配をかけました。これからは社会人として何事も自分でやらなくてならないのでしっかりがんばります。」
「二人は、自慢の親です!僕を産んでくれてありがとう。大学でもがんばるから応援をお願いします。」
 私からも保護者の皆様に、また、支えてくださった多くの方々に「ありがとうございました。」と感謝の気持ちをお伝えします。
 卒業し、社会に出て行くといってもまだまだ未熟な若者です。これからも人生の先輩として、どうぞ温かく見守っていただきたく思います。

 卒業生のみなさんのご健康とご多幸と神様の豊かな祝福をお祈りし、私の式辞と致します。
 
  2012年2月25日
      
      聖ヨゼフ学園日星高等学校   校長 水嶋純作