現代の若者がシベリア抑留や舞鶴への引き揚げを体験する音楽劇「君よ生きて」の舞鶴公演が4、5日に開かれるのを前に、会場となる市総合文化会館で2日夜、最終通し稽古が報道陣に公開された。
 物語は、あてもない旅の途中、フェリーで舞鶴港に着いた若者・トモキが、亡くなったはずの曽祖父・善吉と出会い、時空を超えて終戦後のシベリアの収容所で善吉として苦しい抑留生活や引き揚げを体験する。「望月龍平シアターカンパニー」(東京)が企画・制作し、東京で昨年初めて上演された。市も引き揚げ70周年事業として協力。最終リハーサルでは約2時間半にわたって熱演を見せた。
 1日は、同カンパニー代表の望月龍平さん、音楽監督で出演もするシンガー・ソングライターのユウサミイさん、出演者らが同市北吸の舞鶴赤れんがパーク内の舞鶴引揚記念館の特別展示を見学。ともに「舞鶴・引揚語りの会」会員でシベリア抑留・引き揚げ体験者の原田二郎さん(90)=綾部市=と樟康(たぶのきやす)さん(77)=舞鶴市=から話を聴いた。
 原田さんのエピソードを話す記者とロシア人軍医を演じる武田優子さん(32)は、母親が舞鶴への引き揚げ者という。「母に『幼いときのお母さんに会ってくるよ』とメールしてきました。原田さんにも実際に会えたので、実感をもって演じられました」と話した。
 舞鶴で引き揚げ者をもてなす女学生を演じる平川めぐみさん(25)は「舞鶴での稽古では楽屋から舞台まで体が重くなり、感極まってしまいました。舞鶴の女性の強さ、優しさを演じたい」。望月さんは「舞鶴で演じることに、役者たちの表情や言葉も東京とは違ってきている」と話す。
 3日は市内の日星高生を対象にした特別公演とワークショップが開かれた。