入学式式辞
春爛漫の今日、舞鶴市副市長 木村学様をはじめたくさんのご来賓の皆様、保護者の皆様にご臨席いただいて入学式が挙行できますことにまた日頃から物心両面からのご支援をいただいておりますことに心から感謝いたします。ありがとうございます。
 さて、新入生の皆さん。入学おめでとう。
みなさんが入学に当たって書いた作文を読ませていただきました。
「幼い頃からあこがれていた日星高校、それが四月からあこがれでなく現実となる。ドキドキとワクワクで胸が一杯です。勉強についていけるかドキドキ、新たな出会いにワクワクです。」と書いてくれていた人がいます。
そう、皆さんの新しいステージ、それがここ日星高校。
ここで、夢をみつけ実現するのです。
大学に進学する。医者になる。看護師になる。美容師の専門学校に行く。甲子園に行く。
それぞれ自分の夢がありますね。
それをみんなに応援してもらえる夢にするところ、社会とつなげるプロセスが高校の勉強だと思っています。
すなわち、何のために進学するのか、何のために看護師になるのか、何のために甲子園に行くのか。その答えを見つけるところといってもいいでしょう。
夢の実現は、自分のため、自分の自己実現はもちろんですが、「自分の力を社会にどう生かすか。」その観点が今、求められています。

もう十年も前になりますが、私が、フィリピンの貧しい地区に学校建築のボランティアに行った時のことです。 ちょうど卒業式の終わった時期で、近所で出会った小学6年生の女の子と夢の話をしました。
「What’s your dream after graduation?」 卒業した後のあなたの夢は何ですか? と聞きました。
すると彼女は、こういってくれました。
「It’s nurse!」ナースです。私は、「Why❓」って聞き返しました。少女はなんて答えたと思いますか?
「Save peaple!」そう「人々を助けたい」なのです。
私は、それはとても難しいって感じて「It’s hard!」といいました。すると彼女は、「Ofcouse!」もちろん!と笑顔で答えてくれました。
フィリピンでも義務教育は無償ですが、制服や教材費などにお金がかかり、安定した収入がなかったり親が失業したりすると、通学をあきらめなくてはならない率が非常に高いのです。
別れるときに「Good luck!」と手をふったもののその後彼女が夢を叶えられたか分かりません。
しかし、自分が貧しくとも、国の状況を思い「人々を助けたい」と考えていた彼女はすごいなって今でも思います。
みなさんには、学ぶ環境があります。やればできる力があります。だからこそ、何のために自分の夢があるのか、高校で学ぶのか。もう一度世の中とつなげて考えてほしいと思います。

 日星高校の建学の精神は、イエスが示した「小さき者とあれ」です。
小さくされた人、苦しんでいる人、悩んでいる人とともにあること。それは隣にいる人かもしれません。
そこから、本校の教育の目標は
To be with ! To be for! To be more !
「人々とともに生き 人々のために役立つ 心豊かな人に」としています。
世界に目を向ければ、戦争やテロ、難民、領土問題が、国内でも、地方の時代と言われながら少子高齢化が進み舞鶴の人口も減り続けています。
子どもの6人に一人が貧困であったり、東日本大震災による原発事故でいまだに故郷に帰れない人が大勢います。
そうした世界に関心をもち、そこでがんばっている人とともにあり続けること。そして自分たちのできることを喜んで人のためにやっていくこと。またそうした問題を解決し、世界がつながっていくために一生懸命に勉強するのです。

夢を実現するためには、あきらめずに「求め続けること」が必要です。はじめの聖書朗読にあったように
「求めよ、さらば与えられん。捜せ、さらば見出さん。門を叩け、さらば開かれん」なのです。
一人一人がもっている力を磨き、輝かせることで日星が輝きます。舞鶴が輝きます。自分一人では、実現しない夢をみんなの夢として育てていきます。
日星は、日本の星、私たちは日本の星を目指します。

 あとになりましたが保護者の皆様、お子様の入学、誠におめでとうございます。(礼)
高校は、就職・進学と道は違っても、
「一人前の社会人として社会に送り出すところ」です。時には厳しいことも申し上げますがご家庭の理解と協力がなければ成し遂げられません。どうぞよろしくお願いします。
今、2020年の入試改革に合わせて高校と大学の接続の論議が進んでいます。
「今年、小学校に入学した子供の65%は、大学卒業後今は存在していない職業に就く」とアメリカの大学教授が言っています。また、「今後十年から二十年で約47%の仕事が自動化される可能性が高い」とも言われています。だからこそ、人間としての志や思いやりが大切になってきます。
新しいそうした社会で生きていくための思考力や判断力、主体性や協働性が一層求められています。
留学やボランティア・就業体験また生徒会や部活など「どのような高校生活を送ったか」が大学進学でもまた就職でも問われるようになります。

日星には、町とつながり世界とつながる様々なチャンスがあります。コミュニケーションを大切にした学びの場や出会いがあります。素晴らしい先生がいます。
野球部の生徒は「甲子園に出て、これまで応援してくれた皆さんに最高の恩返しをしたい」と張り切っています。どうぞご家庭でも生徒たちがさまざまなチャレンジができるよう後押しをお願いいたします。

新入生のみなさん、どうか、今の気持を忘れず、校歌に示された「共に歩こう、共に生きよう。夢と未来を示す星」ー新しい日星を一緒に作っていきましょう。

  二〇十六年四月九日
聖ヨゼフ学園日星高等学校
校長 水嶋純作