2018年度      卒業式 式辞

春の息吹を感じる今日、舞鶴市副市長山口寛士様をはじめ多くのご来賓の皆様、保護者の皆様に御臨席賜り、卒業証書並びに修了証書授与式が挙行できます事、高段からではありますが、厚く御礼申し上げます。

今から八年前の三月十一日、東日本大震災が起こりました。今、こうして生かされている私たちにも与えられた試練でありました。8年間の間に気づかされたこと。それは、当たり前の日常のかけがえのなさと仲間の大切さではなかったでしょうか。
明日がくることは、決して当たり前ではなく、奇跡なのです。また、一日一日の当たり前の日々が、今日という日を作っていきます。

先ほど、お渡しした卒業証書には、「本校の全課程を卒業したことを証する。」あるいは「修了したことを証する」としか書かれておりません。しかし、この二十数文字に込められた思いは,それぞれ違います。
「中学校では不登校だったけれど、高校では、ほぼ休まず登校し今日の日を迎えられた人」「部活をやりきった後で、猛勉強をして大学合格を叶えた人」「進学が決まっても、毎日放課後、こつこつと学習の貯金を殖やしてきた人」「今も国立大学の2次試験のただ中にある人」「自分の得意を極めるんだと専門学校に進学する人」「1年の時からの夢である韓国へ留学すると決意した人」「早く親に楽をさせたいと就職を決めた人」などなど、それぞれの卒業です。

ある生徒は、次のように書いています。「卒業まで来れたのは、こんな自分を見捨てず見守ってくれた家族、最後まで面倒をみてくれた先生方のおかげです。今までしてもらったご恩を卒業の場を借りて返したいと思います。卒業すれば社会人になり大人になります。しっかり働いて自分が決めた目標をやり遂げたいです」こんな思いで今日の日があります。ありがとう。

一人一人の夢を生みだし、夢をつむぐ場所が存在すること、それを支える私たち教職員が一つになって、みなさんの小さな思いに火をつけ、後押ししてこられたとしたら感謝という言葉しかありません。
高校を卒業するということは、一人前の社会人であると認めることです。
それぞれの新しいステージで、人のことを思い、人のために役立つことで豊かになる、その力をみせて欲しいと思います。

看護科高等部修了の皆さん、おめでとう。
専攻科へ進む人、卒業し新しい道を歩む人、道はそれぞれ違っても本校で学んだことを忘れないでください。ナイチンゲールは次のように言っています。
「人生を生きるには、修練が必要です。まずまずの目的、過ち多き行為、ぐらぐらしている意志のうちに人生をうやむやに過ごしてはなりません。目標を高く掲げなさい」と
目標を達成するには、これまで以上の覚悟と努力、そして仲間の支え以外にはありません。

看護科5年課程を終える皆さんもまた、5年の長きに渡る修練を超えてきました。
四月からは、もう一人前の看護師さん。
先日、病院に行き卒業生の看護師さんにお世話になりました。皆さんの先輩が自分の仕事に誇りをもち、心をこめて打ち込んでいる姿に感動しました。確かな知識と技術はもちろんですが、みなさんの患者さんにかける一言が、どんなに人を助けることでしょう。

みなさんが進む社会は、決して順風万帆ではありません。高齢化と少子化の急激な進行で人手不足なのに、AIが進化して人間は失業という予測もされています。そうした中で人間として生き残るためには、しなやかな心と人とつながる力が必要です。

あなたたちは、はじめの聖書の言葉にあったように「地の塩、世の光」です。
あらためてこの言葉をあなたたちの人生に当てはめてみると、出くわす困難こそが塩であり光であると思えるのです。困難は、あなたたちに忘れていたものを思い出させ、今ある闇に光を与えるように思います。その意味であなたたち、いや私たちも「地の塩.世の光」そのものであることを気づかされるのです。
一人のともす灯りは小さくとも私たちが希望と勇気の光となるのです。
灯火を高く掲げ 行きましょう。

新しい時代、新しい扉を開くのは、一人では不安です。困った時、苦しい時に頼れるのは、やっぱりここ、高校時代に培った仲間、母校・先生です。これからも互いに助け合い、共に歩んでいきましょう。

後になりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業おめでとうございます。
私たちも精一杯の努力をしてきたつもりです。けれど期待に応えられなかったことも多く申し訳なく思っております。それでも生徒たちを、私たちを支え続けてくださったことにあらためて感謝を申し上げます。「お母さん、こんどは私が支えるね」と立派に育ってくれました。
社会に出て行くといってもまだまだ未熟な若者です。どうぞ温かく見守ってください。

卒業生、修了生の皆様のご健康とご多幸と
神様の豊かな祝福をお祈りし、私の式辞と致します。

2019年3月1日

聖ヨゼフ学園日星高等学校
校長 水嶋純作