校長講話 「まだ、8月31日のあなたへ」

今日は、9月の3日

学校が始まって1週間が経ちました。

まだ、心が、モヤモヤしていたり、提出物になやんだり、ずっと休んでいる人もいます。そんな人のことが心配で、この時間をいただきました。皆さんにどう言えばメッセージが続くのかずっと考えていました。

8月31日、土曜講座で勉強にきていた生徒数人にインタビューしました。

「夏休み明けとか、土曜講座とか ちょっと休みたいなって気持ちあるよね」

「あるある」「そんな時どんな風にスイッチ入れるの?」

「しかたなしにって思う」「うーん。勉強余り好きでないけれど、学校は楽しいから来る」

「私もいっしょ」「私は、音楽とか聴いて、いやな気持ちを忘れる」「そのうちだんだん、学校のペースになれてくる」って答えてくれました。

夜になるとNHKのテレビで「8月31日の夜に」と言う番組をずっとやっていました。

番組に寄せられた手記の朗読を聞いてください。

(朗読1  朗読者 生駒里奈さん )

高校1年生の夏休み最後の日、本気で思った。心の中で願った。どうかどうか夏休み最初の日に戻してくださいって。

高校に入ってから朝起きられないことが続いた。布団の中で体が固まってしまって何度も学校休んだ。ただ体と心がひどく疲れているみたいで何もする気が起きなかった仕方ないね、「何もやってません」て言うしかない。

いいよそんなふうに言われて、始業式の自分を想像する。白紙の提出物を出す自分。どうしてこうなっちゃったんだろう。あの時まで戻れたらいいのにタイムマシンがあったらいいのに。

でも当然タイムマシンがあるわけでもなく、眠れないまま日が過ぎて、その日から私は学校へいけなくなった。

不登校が続き1年生のうちに学校を中退して中卒になった。

いけなくなった理由は、よくわからない。

「なんで」「そんなことで」と言う人の気持ちもわかるし、自分でもよくわからなくて、

しんどいと言うのですら申し訳ないというか、だから本当にただ、だめな人間なだけです。私にとってこの当時のことを思い出すと苦しい。

自分でも自分がよくわからなかったから」

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誰だって、夏休み明けは調子いまいちだし、課題ができてなかったりするともう最悪。

私も、「もっと計画的にやっておけばよかった」と始業式を迎える。子どもの頃から今も続く反省。生駒さんの朗読にあったように、自分のことやこれからのことがよくわかってない時は不安になる。

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(朗読2)  (朗読者 戦慄かなの)

死にたい。生きたくないから死にたい。自分が好きなものがあって、好きな人もいて周りから見たら、

「なぜこの子は死にたいと思うんだろう」と疑問に思うと思います。

でも答えは簡単です。

未来が想像がつかないから。暗い未来の方が想像つくから。

今提出物を死に物狂いで終わらせようとしても、

次から次と出てきて、また次の提出物をしなければならない。

どれだけ頑張っても自分が思う幸せをつかめることなんかできないし、

どうせ電車に揺られながら、死んだ顔で会社と家を行き来する生活が始まるだけなんだろうと思うと辛い。

何のために頑張ってるのかがわからない。

好きな物も好きな人も、死にたいと思うことほど大きなものでは無い。

死にたい。今ここで死んだら、辛さを抱えて生きていくことが、なくなるんじゃないか。

そう考えながら生きてる。

この生活に終止符を打つべきなのでは。

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9月1日。朝日新聞の朝刊に樹木希林さんの言葉が1面に出ていました。

「今日は、子供たちの運命を分ける大切な1日。9月1日 母からのバトン」  樹木希林 内田也哉子

「死なないでね。どうか生きてください」

去年の、9月1日 母は、入院していた病室の窓の外に向かって、涙をこらえながら繰り返し何かにかたりかけていました。

余りの突然の出来事に、私は母の気が触れてしまったのかと動揺しました。それから、なぜ今、そんなことをしているのか問いただすと

「今日は、学校に行けない子供達が大勢、自殺してしまう日なの」

「もったいない、あまりに命がもったいない」と一言一言を絞り出すように教えてくれました。

この2週間後に、母は75年の生涯の幕を閉じました。

(9月1日と言うタイトルがついた本ですが、

母の死後まもなく、ある編集者から、母が生前、

「学校に行けないと言う事」について語った原稿が送られてきました。私はこれを母からの話のバトンだと理解し、

まずは、本当のことをもっと知りたいと思い、やがてその現状を少しでも誰かと家共有できればと願いようになりました。) 内田也哉子

 

不登校新聞を出している石井さんは、

「学校に行かなくても、ちゃんと人生は続いていく。大人になっていく、ということをぜひ信じてもらいたいなと思う。」と書いています。

私も考えていました。学校へいけなくなって困って引きこもってしまうのはもったいないし、通信制と言う選択肢ももちろんある。

この番組や、「8月31日の夜に」の本を読んで

「じゃあ、全日制の学校って何なのかな」って思う。

その答えは人によってみんな違うだろう。

どうかその理由を、学校に来る理由を考えて欲しい。一緒に話し合ってほしい。

学校が苦手だった女優の春名風花さん18歳が、新聞にこのように書いています。

「でもね、あんなに嫌だったのに、今、不思議と

それでもやっぱり学校に行っておけばよかったと思うことがあります。

大人になるといろんな人間と出会うことって難しいんです。

知らず知らず、いつも似た考えの人といたり、居心地の良い場所を選んだりしているので、

違った価値観に出会ってショックを受けたりすることがなくなるから。

今思えば、様々なタイプの人と出会える学校は、貴重な場所だったのだと思います。

「気の合わない人がいる」事を知るのは、学校に行く1番の価値なんじゃないかな。

教室に行きづらかったら、図書室や保健室で過ごしたり、勉強と違うことに打ち込んだりしてください。

心が疲れた時はお休みしても構いません。

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(けれど、気をつけて欲しいのは、長く学校に行かないのであれば、視野を広げる努力が必要になることです。インターネットでも何でも良いのでたくさんの人に話を聞くことが大切です。ゲームの世界に逃げ込む事も時には必要。けどね、人は誰だって、嫌いな相手がいるのが当たり前。

気の合わない人がいることを知るのが、学校に行く1番の価値なんじゃないかな。

むかついたり、いじめてしまいたくなったりするときに自分の怒りをコントロールできるように導く教育が必要です。)

(不登校だった中川翔子さんは、

辛さを忘れさせてくれたのは、笑を書き、音楽や漫画、ゲームなど、自分の好きなことに熱中した時間でした。と書いています。

辛い時は、自分の好きな音楽を聞いたり好きなことがある所へ行くようにして欲しい。

なんで好きなんだろう、なんで感情が動かされるんだろうと考えることが未来の鍵になるかもしれません。) (  )は朝礼では省いたところ

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次のようなメッセージをいただきました。

 

今、少し生きることに戸惑っている人へーーー

「人がこの世に必要とされて生まれてきます。

あなたはどんな状況であろうと、今生きているそのままが、大切な存在なのです。

何かができるからあなたの価値があるんじゃない。あなたがあなたであることで価値があるのです。

心の中は自分の気持ちに自由に生きてください。

きっと誰かが応援してくれます。

そして神様は、いつもあなたのそばにおられるのです。

そのことを忘れないでください。

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「今、命があなたを生きている」東本願寺の塀にも書かれています。

1人1人の気持ちを互いに気遣える学校になるように、私も先生方も耳を傾けていきたいと思います。

最後に生駒さんの朗読の続きを聞いてください。

(朗読)

「今思うと自分に求めすぎていたんだと思う。自分が求めている自分は、本来持っているもの以上の姿で完璧になろうとしていた。

1つでも間違いで、もうそこで終わってしまうと思っていたから。

1つまた1つと間違えた自分を認められなかった。

今はありがたいことに仕事をしている信頼できる人たちもいる。

いきなりだめな自分を認めたって事はないし、逃げずに人生に立ち向かったかと言われると違う。

自分がどうしようもないくらい間違えてしまうこともある。

でも戻りたいとは思わない。

ここからはじめるしかないと分かったから。

そしてやっぱり失敗する。できない自分だって知ってるから。」

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テレビ見逃した人はこちら

https://www.nhk.or.jp/heart-net/831yoru/

 

本もどうぞ読んでください。

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